こんにちは、ポップジャパンPRチームの酒井です
本日2/17は、電子書籍の日らしいですよ。
皆さんは電子書籍、活用されていますか?
私はバリバリです。
活字の本は基本的に紙で読みたいタイプなんですが、漫画はもう完全に電子書籍に移行しました。
電子書籍用の端末も4台くらい使いつぶしました。
数千冊は電子書籍で読み漁ってきましたからね。
助けてください。
実際に手に取って本を読む感覚とは違いますが、やっぱりどこでも読める便利さと省スペースは魅力です。
というより、もう家の本棚はパンパンなんです。
引き出しまで本がパンパン。
助けてください。
本日は電子書籍デビューにオススメ!
一冊で完結する漫画を3冊紹介していきます!
小人2人の逃避行『ヨルとネル』(施川ユウキ)
人気読書漫画『バーナード嬢曰く。』の作者、施川ユウキ先生の作品。
研究所から逃げ出した2人の小人が海を目指す、というのがおおまかなストーリーの流れです。
小人の男の子2人が物語を進行していくのですが、その小人から見た世界のディティールがリアル。
わずか11cm程度の小人から見た世界は、私たちが思うよりずっと大きくて細かい世界なのかと思わせる様な説得力があります。
無邪気にじゃれ合う幼さと、人目を忍び逃避行を続けるシビアさの同居が作品全体のトーンにコントラストを与えているような気がします。
作品を通して、全体に霧の様にかかり続ける哲学感、そして死生観。
ポップなタッチのイラストとは印象が大きく異なり、読後感はどこか考えさせられるものです。
思春期の劣等感を描く『ちーちゃんはちょっと足りない』(阿部共実)
心の触れられたくない部分を撫でられるような、そんな重たい作品が多い阿部共実先生の作品。
この作品は絵柄とちょっと抜けたところがあるちーちゃんのかわいらしさが目を惹きますが、やはり阿部先生の作品。
読み進めるとタイトルにある“足りない”は作中で様々なものを指すキーワードであることが徐々に分かってきます。
それはもしかすると発達障害のことかもしれないし、貧困のことかもしれないし、社会的な立場のことを指すのかもしれません。
誰もが一度は感じたことがある痛みが私たち自身にその足りない何かを考えさせる、そんな作品でした。
正直にいうと中々に読むのがつらい作品です、胸の痛みで。
スクールカーストという小さな檻の中にいた学生時代を思い返しながら読んで欲しいですね。
意識外から繋がるシナプス『外天楼』(石黒正数)
『それでも町は廻っている』や『天国大魔境』などの長編漫画も人気な石黒正数先生の作品。
コミカルな1話目から始まる本作は、1話ごとにシチュエーションがガラッと変わります。
まるでオムニバスの様な温度感の変化に最初はとっつきにくいかもしれないですが、途中で全てに合点がいくかと思います。
そこからがもうマグマです。
漫画の上手さというパワーの奔流です。
ミステリ、ギャグ、SFなどなど複雑な要素が組み合わさりつつも、それらが互いに作用し続ける様子は圧巻の一言。
人間とAI、そしてその業。
倫理観とエゴの狭間に揺れる人々の心の機微が心地よいダークさとポップさの調和をもたらしています。
同じ作者の『ネムルバカ』とか『響子と父さん』とかもめちゃくちゃいいのでオススメです!