「市場の中の保育園」と「卸センターの保育園」数々の逆境を乗り越えた歴史は、いつも子供たちの笑顔が支えていた

石川と西村さま

こんにちは。ポップジャパンの石川です。保育の最前線から失礼します。
今回、のぼりラボは「卸センター・もみのき保育園」にお邪魔しました。

こちらの保育園は広島市の西区商工センターという地域に在り、いわゆる市街地や住宅地に建つ保育園と違って、事業所や商業施設、倉庫などが多く立ち並ぶエリアに位置する「事業所内保育園」です。

そして、こちらの保育園を運営されている「一般社団法人もみのき会」は広島市中央市場の中に、同じく「もみのき保育園」という日本で初めて設立されたという「市場の中の保育園」も運営されています。

どちらの保育園も、一般的にイメージされる保育園とは立地的な特徴がある保育園。
子供を預かり健やかに保育する点においての違いは無くても、「卸センターの保育園」そして「市場の中の保育園」とは、どのように運営されているのでしょうか?

一般社団法人もみのき会の代表理事であり、卸センター・もみのき保育園の園長でもいらっしゃる「西村恵美子(にしむらえみこ)さん」にお話を聞きました。

西村さま

逆境の中で実感した「仕事と子育ての両立」を実現する保育園の大切さ

もみのき保育園

石川この度はお忙しい中、取材を受けていただきましてありがとうございます。実は我々が「もみのき保育園」をお伺いしたきっかけは「市場の中の保育園」の存在を知り興味を持ったからです。この「卸センター・もみのき保育園」の立地も、特徴的ですね。西村さんが保育園を立ち上げられたきっかけは、何だったのでしょうか?

西村さま保育園を開園する前の私は、派遣社員のOLでした。大学を卒業して一時期はコピーライターの仕事をしていたんです。

石川なんと!それはどちらかと言うと、私たちと同業者だったということですね。

西村さまそうですね。元々「言葉」が好きだったので、喜んで飛び込んだ世界だったんですけど、コピーライターの仕事というのは「既にある物」のコピーを書く仕事ですから、その商品がピンときていなくてもコピーを書かなくてはいけません。そこに物足りなさを感じることがあって、「企画段階から携わりたい」という気持ちから「プランナー」に転身しました。プランの段階から参加することで、自信を持ってコピーも書くという仕事を、10年近くしていました。

石川今の段階では、まだ保育園の運営には結びつかないキャリアですね。

西村さましかし、それから結婚・出産を経まして、また離婚も経験しました。結婚などで一旦キャリアが途絶えると、やっぱり元の会社に復帰するというのは難しかったんですよね。一線を退いて時間が経つと、雇ってくれるところがほとんどありませんでした。

石川現在でも社会問題として扱われている、日本企業の悪い体質と言えそうです。

西村さま結局は「派遣社員」という道しかありませんでした。まだ子供も小さくて、徹夜も出来ないですからね。広告の仕事って、午前3時や4時まで仕事というのも結構ありますし、子育てしながらそんな生活は難しいです。

石川先ほどお聞きした「開園する前まで派遣社員のOLをされていた」という話につながりました。

西村さま派遣社員で「6時半~7時が定時」という働き方を7年くらい続けていたんですけど、正直ちょっと…収入が厳しいんですよね。現実問題、これから子供が中学生、高校生になることを考えると派遣社員のままでは難しい。ですので…

西村さん

起業しようと思いました!

石川思い切りましたね!

西村さまでも当時は本当に何も無かったんですよね。何も無いどころか、マンションを買ったばかりでしたから。

石川え!?マンション買ったんですか?

西村さま派遣社員でマンションを買うのも大変だったんですけど(笑) そのローンが始まったばかりの頃に起業しました。まぁ当然ですけど、お金は無いですよね。

石川でしょうね。お話のジェットコースター感がすごいです!

西村さま私の性格なんでしょうけど、「崖っぷち大好き!」というか、あまりマイナスな状況に苦労を感じなくて、「大変」と思わないんです。お金が無いのなら「どうしようかな」と、工夫をすることが好きなんです。だからコピーライターやプランナーを続けていたのかも知れませんね。

石川お話の流れからすると、コピーライターやプランナーとして起業されることも考えられますが、そこで「保育園」を選択されたのは、やはりご自身の子育て経験からだったのでしょうか?

西村さまそうですね。自分の体験もあって、シングルマザーも増えている世の中で「『仕事をしながら子育てもしっかりできるよ』っていう社会になったらいいな」って思ったからです。当時は私の両親が元気で、昼間は子供を看て貰いながら仕事をしていました。両親の生き甲斐になっていて良かったんですけど、二人が相次いで癌になってしまって、今までの生活が一気に崩れたんです。派遣社員を続けることも難くなって、入院の面倒も見なければいけない。両親2人がほとんど同時に入院したりすると、子供を看る人が居なくなるんですよね。

石川ご両親を看ながら同時進行の子育て。ご自身の仕事のこと。それは本当に大変だったことでしょう。

西村さまその時に「やっぱり保育園が大事だな」って強く思いました。当時の世の中は「幼稚園に預けたいけど、仕事もあるから保育園かな」っていう雰囲気が強かったんですけど、保育園でも幼稚園の機能があれば、そこで区切る必要はありませんよね?私は保育畑から入った者ではないですから、「社会のニーズはどうなのかな?」というところから、起業について考え始めました。

石川まさにプランナーの経験を活かし、社会の在り方に沿った保育園について、考えられたのですね。

西村さまとは言え、お金がないんですよね。どうしようかと思っていた時に、広島市の「起業支援」というものを知りました。でも最初はスルーしていたんです。

石川それは、どうしてですか?

西村さま単純に「審査に受かるわけ無い」と思っていました。だけど、締め切り間際に母親が「起業支援というものがあるよ」って話を持ってきてくれまして、そこで「やって…みようかな!」と思いました。

石川その「締め切り間際」というのは…

西村さん

2週間後でした!

石川ギリギリすぎる!

西村さまプランナーをやっていたので企画書を書くことは苦も無かったんですけど、ただ、収支計画とか数字のところが全然分からない。「市場調査とかしっかりやってから計画立てないと受かりませんよ」とか言われて、数字に関しては色々丁寧に教えていただきましたね。だけど私自身、実は市場調査の必要は無いと思っていました。

石川それはまた、何故ですか?

西村さま魅力のある保育園を作れば、どこからでも人は来ると思っていたんです。そのような信念の企画書を作ったら、審査に受かってしまいました(笑)

石川すごい!まさに西村さんのキャリアが、保育園の開園に向けて最大限の威力を発揮したということですね。

西村さまだけど「審査に受かったらその年度には開業してね」というお話だったので、派遣社員をしていた会社を12月に辞めて、2月に保育園を開園しました。

石川先ほどからとんでもないスピード展開ですね!何年も前のお話なのに、ジェットコースター感が強すぎてハラハラします。しかし、保育園を開園するとなると、その場所を決めることも大変だったのではないでしょうか?

西村さま最初に話を進めていた段階ではレンガ造りで、4~5台ほど車が停められる駐車場もあったんです。ほとんどその場所で決まりかけていたんですけど、ある時に大家さんから「保育園が入ることで毎日「大丈夫だろうか」って心配するのは嫌だ」って言われて…

石川時間も無い状況でそれは困りますね。

西村さまだけど、説得することも難しいだろうし、そこはあっさり諦めました。諦めましたけど本当は「どうしよう」って泣きたい気持ちでした。そしたら、当時まだ幼稚園だった子供が私のところにヒョコヒョコって来て、見上げているんです。やっぱり私が不安がっていることって、子供にも伝わるんですよね。

石川私も小さな子供が居るので分かる気がします。子供の察しの良さに驚かされることはありますね。

西村さまそしたらやっぱり「泣くわけにはいかないな」って。この子を育てていくのは自分なんだから、ここで泣いたりしてもどうしようもないなって思いました。そこで「不動産屋まわろうか」って、子供といっしょに不動産屋さんをまわって、新しい物件を見つけることができました。宮島街道沿いにある物件です。私の保育園はそこからスタートしました。しんどかったけど、今振り返ると楽しかったですね。

更なる逆境の中にみつけた新たなチャンス

石川お話を聞いていると、数々の逆境の中から西村様のバイタリティや持ち前の前向きさでチャンスを掴んでこられてきたのだなと感じます。最初に開園された保育園から、市場の中に保育園を開かれるまでの、「逆境」についてお聞かせください。

西村さん

逆境前提なんですね。

西村さま最初の保育園で4、5年経ったころ、広島市中央市場の中で会長をされていた友人の父親から「今度市場で『事業所内保育園をやろうか』という声がある」と聞いたんです。市場は人も多いですし、一つの街くらいの人数が働いていますからね。だけど、市場の人たちも保育園についてよく知らないから、話しに来てみないかと声をかけていただきました。

石川事業所内保育園というのは、いわゆる「会社の保育園」といったイメージで良いでしょうか?

西村さまそうですね。主体の側が設備などを整えて、運営は委託という形です。事業所内保育園だと、国からもある程度の補助がありますので、運営にはそちらも利用しようと考えていたのですが…、すぐに市場に事業所内保育園をつくることは問題が山積みだと分かりました。

石川それはどういった問題だったのでしょうか?

西村さま広島市中央市場は、「鮮魚」と「青果」、それと「花き」を扱っていて、その一つ一つにものすごい数の人たちや会社が関わっています。業種によって勤務時間も違いますし、休みの日も違うので、足並みを揃えるってことがまず難しいんです。それに、個別の会社ごとにクリアしなければいけないポイントが沢山あって、補助金の対象になるハードルが高い。それが1社だけの話だと、自社の中で調整できるのでしょうけど、市場はとにかく関わっている会社が膨大でして。「これは無理だ」っていうことが早々に判明しました(笑)

石川「事業所内保育園」というカタチで、市場の中に保育園を開園することは不可能だったということですね。

西村さま最終的には「単独で入るか?」って言われたんですけど、単独で入るということは、つまり改装も自分でやって、家賃も自分で払うってことなんですよね。つまり通常の保育園運営です。

石川ここで「逆境」が待ち構えていましたね。

西村さま融資の返済も終わったタイミングでしたし、正直「どうしようかな」とも思ったんですけどね。ただ声をかけてくださった友人の父親のことは尊敬していましたし、「声をかけてくださった時点で」それはもう「やりなさい」ってことだったんだろうなって思いました。

石川「市場の中の保育園」は日本全国でも初めてのことだったそうですから、「切り開け!」という意味もあったのかも知れませんね。

もみのき保育園
広島市中央市場の中に開かれた「もみのき保育園」

西村さまだからもう、あまり考えないで「やります」って答えました(笑) かと言って2箇所で運営する力も無いので、全面移転というかたちですね。

石川しかし、既に運営されていた保育園がまだ4,5年しか経っていなかったんですよね?

西村さままだ使えるものも多かったんですけどね。だけど、やっぱり2つ保育園を運営するなんて、同時はもう本当に無理でしたから。そこで、市場の中に移転して1000万かけて内装工事をしました。それが平成21年くらいの話かな。

石川返済済ませたばかりなのに1000万円!

石川

西村さまだけど、市場に保育園ができたってことは、注目されました。以前の保育園も、広島市の起業支援企画第一回目だったので、結構取材に来ていただいたんです。そして、今度は「日本で初めて市場に保育園ができた」ということで、すごく注目されました。

石川逆境にぶち当たりながらでありますが、なんて言うか、やはり「持って」いらっしゃいますね。

西村さまその時はまだ「認可外保育園」のままで移転したんですけど、築地や大阪からも視察に来られるくらい注目されてたこともあって、半年後の秋ごろには「認可保育園」になりました。もちろん認可の申請はしていましたけど、ずっと「難しい」と言われていたので、嬉しかったですね。ただ認可保育園になると、今度は給食施設を設置しなくてはいけなくなって…

石川これは…新たな逆境…ですか?

西村さま最初に改装した時点では給食施設を設置してなかったんです。でも認可保育園には必須なものですから、またほぼ全面改装。以前ほどの改装ではなかったんですけど、給食施設だけで500万円はかかります。それにあわせて保育室もちょっとずつ変えたことで、トータルでまた1000万円くらいかかっちゃいました。

石川と西村さま

石川だんだん自分の金銭感覚に自信がなくなってきました。

西村さまでもやるしかないですからね。それが、市場に入る時の大変な出来事でした。

石川本当に大変な道のりだったのですね。

西村さまでも、やっぱり当時は「大変だー!」とは感じていませんでしたね。

石川市場の中の保育園とはまた別に、現在はこちらの卸センター・保育園がございます。こちらを設立されたことはどういった想いからだったのでしょうか?

西村さま市場の保育園が「認可保育園」となったことで、広島市内のお子さんしか預かってはいけないという制限がつきました。だけど、当時は広島市外の廿日市市や大竹市のお子さんも預かっていて、認可保育園だと今後は預かることをお断りしなければいけないことになってしまったのです。だけど、一度預かったお子様を「お断りする」ということは、私の中にはありませんでした。

石川そのような制限があることは知りませんでした。認可保育園になることは、一概に「いい事ばかり」とは言えないようですね。

西村さまそれからすぐ場所を探しまして、仮の認可外保育園を開園しました。同じ頃、今の場所の組合が「事業所内保育園をやってくれる方」ということで募集していることを知って、プレゼンを経て、運営させていただくことになりました。ですので現在は、市場内の保育園は別の園長先生におまかせしています。やはり私だけで2つの保育園をみることは結構難しいですからね。

通園かばん

自分が育つ姿で子供を育てる。みんなで育てば怖いもの無し!

石川「市場の中にある保育園」。そしてこちら「卸センター・保育園」もいわゆる住宅地・市街地にある保育園とは違う立地的な特徴があります。そのような地域にある保育園こその魅力や特徴はありますでしょうか?

西村さま私は、場所のことってあまり関係なく、方針として「自分の頭で考える子供たち」を育てたいと思っています。その為には先生も自分の頭で考える力が必要です。自分が「立派な人間」を目指すことで、それを見ている子供たちも「立派な人間」になれると考えています。なので、先生たちもそういった気持ちで自分の「人磨き」をして、そして子供たちと接するということが、もみのき保育園の基本です。

石川もみのき保育園の方針、考え方こそが特徴ということなのですね。

自分で考える
もみのき保育園では「自分で考える力」を育てる工夫がされている

西村さままた、これは私が保育園の先生の学校を出ていないから気がついたことなのですが、一つ一つのイベントが、ルーティンになっていることが気になっていました。例えば8月6日には、8月6日関連の絵本を読んで黙祷をしてお仕舞い。敬老の日には「おじいちゃんおばあちゃんへの手紙」を持ってきてもらって、出してお仕舞い。それって「手紙を出しておけば喜ぶだろう」みたいな上から目線だと思えてしまうんです。

石川言われてみたら確かにそうですね。慣習化だったり形骸化してしまって本来の意味や目的を見失われていることも多いような気がします。

西村さまなので、もみのき保育園では保育士の先生たちも色々考えてて、例えば敬老の日のプレゼントは今までは本当に、ただ「子供がつくったもの」を持って行ってただけだったモノを、3年ほど前から「アドベントカレンダー」というものにしました。

石川アドベントカレンダー?

西村さま施設への訪問をしていますので、子供たちが「自分たちが行く日」をお知らせして、日にちが近づいて来たら「もうすぐ行くよ」ってメッセージになります。他にも「この歌を覚えておいてください。一緒に歌いましょう」なんてモノもあります。外遊びに行くときにも、その施設の前を通ったりしていますね。

石川保育園の外との交流、人との交流も大事にしているのですね。

西村さま道行く知らない人との挨拶も大事です。今は「知らない人に声をかけてはいけない」って言われる時代ですけど、それは一部の「特殊な人」の場合であって、やっぱり基本は挨拶ですよね。そういうことを小まめに日々の中で入れるということが、「いい人」になるための一つ一つだと思います。先生が育つことイコール、子供が育つことになって、「皆が育つことがいいよね」という保育だったら、どこに持っていっても通用するんじゃないかと思ってます。

保育園で活きる便利アイテムのヒント!保育士不足の現状打破につながるか

石川私たちのぼりラボを運営するポップジャパンは、いわゆる布の印刷物を製造しているメーカーなのですが、「保育園だからこそ必要なアイテム、あったら助かるアイテム」はありますか?

西村さまあります!あります!例えば保育園の発表会でも、「もみのき保育園発表会」て書かれたものを毎回プリンターで紙に印刷して作っているんですけど、次回に使いまわしっていうことが出来ないんですよね。紙だとけっこう痛んでしまうので。毎年「6月が来たら紫陽花を切って作って」ということが同じように繰り返されているんです。私などは一般の会社から入って来ているので、それがすごく無駄に見えるんです。

石川毎回、保育士の方が手作業で作られることは大変ですよね。そういった装飾などの作成で時間が多く取られるという話を聞いたことがあります。

西村さまだから本当に「もみのき保育園」なんてものは毎回使うものだから、コーティングして、その部分だけでも毎回使えるようにして「○○発表会」ですとか「入園式」とか、そんなのも布で作ってあれば、もう毎回作る手間も省けますよね。そういったタイプの「保育園セット」みたいなものがあれば…

西村さん

けっこうイケると思います!

石川なんと…!これは私たちとしてもビジネスの匂いがしますね。例えば「あ」から「ん」までの切り張りできるものがあったりして、組み合わせ言葉を作ることができるアイテムなんてどうでしょう?

西村さまそれもおもしろいですね。各保育園、絶対欲しいと思います!ですので、プレゼンテーションをするときに、相手の保育園のロゴとか入れて提案したら絶対欲しくなりますよ。

石川保育園相手のプレゼンのご指導まで!大変参考になります!!最後になりますが、もみのき保育園の将来の展望や夢などについて、お聞かせください。

西村さま市場の中の保育園も、商工センターの保育園も、言ってみれば「後付で保育園にした」というカタチです。保育園として建てられたものではなくて、ここも倉庫だったところですしね。園庭があって、そして駐車場もたくさんある近所迷惑にならない保育園になればとは思っていますけど、実はそれとは別に開園したときからの夢があるんです。

石川是非、聞かせてください!

西村さまそれは「絵本図書館のある保育園」です。絵本の読み聞かせって、親子の触れ合いや、お昼寝のときに「読んであげるから目を瞑ってね」と言うような、大切な関係を築くものだと思います。そこから広がる想像力だとか、自分が人生で辛くなったときに「この本を読んで力になった」と思えるようなものが大事です。今は約2000冊の蔵書がありますけど、私としては「絵本図書館」というものが別にキチンとあって、出来たら一般開放もできてというようなものが夢ですね。

本棚
たくさんの絵本が収められているもみのき保育園の本棚

石川素敵な夢をお聞かせいただきました。現在に至るもみのき保育園と西村さんの歴史の中で何度もあった逆境を乗り越えてきた先に建つ「絵本図書館」は、きっと素晴らしいものになるのではないでしょうか。

西村さま今でもずっと土地探しをしているんですよ(笑)

石川あ、また新たな逆境の予感がしますね!

西村さま別に逆境が好きなワケではないんですけどね(笑)私たちの絵本図書館では、絵本の他にも保育関係の本や、子育て関係の本も置いて、お母さんたちにも利用していただければと考えています。他にも絵本研究家の方にお越しいただいて、絵本のセレクトを手伝っていただいたり、保育士に絵本の読み聞かせを指導していただければいいなと思っています。

石川絵本図書館の出来上がるときが楽しみですね。その時にはまた是非取材に伺わせていただければと思います。今日はご協力いただき、ありがとうございました。

卸センター・もみのき保育園の園長でもあり、代表理事でもある西村さまの保育園に懸ける想いは、ご自身の子育てに関わる経験と「仕事をしながら子育てもできる社会」を実現したいという願いでした。
子供に隠し事はできないから、自分が立派な人間になろうとする姿で、子供を立派に育てること。
その姿勢と信念によって、数々の試練と困難、そして逆境を乗り越えて、明るく活気のある二つの保育園を運営されています。
取材に伺った日も保育園は通常運転。子供たちは、突然現れた見知らぬオジサンである私たちにも明るい声で「こんにちは」と元気に挨拶をしてくれました。

市場の中にある保育園と、企業が立ち並ぶ地域にある事業所内保育園。
特徴的な立地にあることに興味を惹かれての取材でしたが、そこで出会ったのは他の市街地や住宅地の保育園と変わらない子供たちの笑顔でした。
西村さんの強い想いの歴史をお聞きする中で、この二つの保育園が今それぞれの場所に存在することは必然だと言えるのではないでしょうか。

昨年は保育園や待機児童に関係するショッキングなワードが流行語大賞にノミネートされたこともありました。
国会の場でも議論されるきっかけでもありましたが、保育の現場で活きるアイテムについて西村さんから頂いたアイデアは、まさに私たちのぼりラボが実現できる保育環境の改善につながる可能性を感じます。

園内を見せていただくと、子供たちに「自分で考えることの大切さ」を教えるための様々な工夫が、掲示物一つからでも感じ取ることができます。

りんご
3つのリンゴが書かれていることで、「イスを三つ並べましょう」という意味を示している

保育士の方々の工夫やアイデア、想いを汲み取り、そして便利につかえるアイテム。
のぼりラボから提案できる新しいヒントをいただきました。

石川と西村さま

【取材協力】
一般社団法人もみのき会 代表理事 卸センター・もみのき保育園 園長
西村 恵美子さん

◆卸センター・もみのき保育園
広島市西区商工センター2-12-11
Tel.082-961-5770 / Fax.082-961-5771
◆もみのき保育園
広島市西区草津港1-8-1
Tel.082-276-3337 /Fax. 082-299-8887

ご協力いただき、ありがとうございました。

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