週末イベントに15,000人を集める「道の駅」の、隙の無い秘策について聞きました[前編]

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舞ロードの巨大太鼓と石川

こんにちは。のぼりラボ編集長の石川です。太鼓を叩きながら失礼します。

今回の「のぼりラボ」は、広島県山県郡北広島町(やまがたぐんきたひろしまちょう)にある道の駅「舞(まい)ロードIC千代田(ちよだ)」を訪れました。

参考リンク
  1. 道の駅 舞ロードIC千代田

人が集まり人気になる仕掛けとは何なのか?
新たなのぼりラボのシリーズ企画では、人が集まり、賑わいが生まれるメカニズムについて掘り下げてみたいと考えました。

個性的な建物?
興味ある施設やイベント?
そこで楽しむ買い物や食事?

それらの演出として、屋外装飾や広告は、人を引き寄せる役割を、どう果たしているのでしょうか。
のぼりラボの検証チームは、そんな問題意識と疑問を持ち、話題のスポットを訪れていこうと考え、第一回目は、「舞ロードIC千代田」の駅長を勤める大畑和憲(おおはた・かずのり)さんに賑わいの秘密をお聞きしました。

大畑さん

インターから目に入る大太鼓。集客のきっかけは絶対的なインパクト!

巨大太鼓

石川大きな太鼓がある施設だとは聞いていましたが、高速道路のインターを降りる段階からとんでもない存在感でした。素晴らしいシンボル効果ですね。道に迷うことすらできませんでした。

大畑さんありがとうございます。想像以上の大きさではなかったですか?あの太鼓、縦は約8メートル、横は約9メートルもあります。重さは、今、クイズ企画の問題にしているので内緒です(笑)。正解者には抽選で賞品もあります。

石川承知しました。私たちは何も聞いていません。あの太鼓というモチーフは、神楽のイメージからきているのですか?

大畑さんそうですね。それと「壬生(みぶ)の花田植え」の太鼓もイメージしています。

参考リンク
  1. 壬生の花田植え

石川壬生の花田植えというと、確かユネスコの世界無形文化遺産にもなりましたね。外国からの観光客も多いと聞いています。ここでは牛のキャラクターも活躍しているようですが…

もうたろう
駅長の胸元で存在感をはなつ牛のゆるキャラ

大畑さんあぁ、これは「花田舞太郎(はなだもうたろう)」ですね。

石川はなだ…もうたろう…?

大畑さん花田植えの飾り牛をモチーフにして、名前を全国公募しました。ご覧のように、当施設のユニフォームにもデザインされたり、お土産品のデザインやグッズにもなっています。北広島町のシンボルキャラクターですね。

石川「シンボルオブジェ」に「ゆるキャラ」と、隙がありませんね。

大畑さんそれだけではありませんよ。あの太鼓も、ただの目立つオブジェで終わりません。施設前のウッドデッキを見てください。何がありますか?

撮影ポイント

石川あ!こ、これはーッ!?あの位置で太鼓のバチを持つと、「まるで太鼓を叩いているように写真撮影できる」という、遠近法のトリックを使った撮影ポイントですね!

大畑さん説明的に驚いていただいてありがとうございます。

バチを構える石川
※実際に撮ってみました

石川写真を撮らずにはいられませんでした。これはSNSでの拡散も期待できますね。

大畑さん単純に目立つだけでは、飽きられるのも早いですからね。何か体験できる仕掛けを考えては実行しています。こうしたアイデアは定期的な会議を持ち、そこでいろいろな案を出しながら生まれ、毎月のイベントやプログラムを決めていきます。

石川当社でも若手社員が定期的に知恵を出し合う「なるほど会議」から、カープの応援グッズとして開発された「勝ちタイツ」が誕生した経緯があります。実行してカタチにしてみる大切さは確かにあると思います。

産直市場と芝生広場から、人を集める施設へ生まれ変わって大成功!

ウッドデッキとのぼり

石川現在のような施設になったのは、4年前と聞きました。以前の様子を少し聞かせて下さい。

大畑さん道の駅自体が誕生したのは15年前です。当時は町が運営していました。「道の駅・舞ロードIC千代田」の名称は、その時からのものです。4年前から、私ども「株式会社きたひろ市場」が指定管理を担い、企画運営に知恵を絞っています。

石川太鼓が出来たのも4年前、現在の施設が出来たときということですか?

大畑さんそうですね。新しい建物と一緒に作りました。自動車のボディにも使われるような強化プラスチック素材を使っているので、耐久性にも優れています。コストもかかりましたが、あるのとないのとでは大きな差になったでしょう。

石川インパクトがまるで違いますからね。ある意味「何だあれは!?」って思わせた時点で、屋外装飾としては「勝ち」ですし、「太鼓のところ」で通じる共通言語化できているところも強みですよね。

巨大な太鼓
離れて撮影するほど際立つ太鼓の大きさ。

大畑さん以前は観光協会を兼ねていた案内所と休憩所、産直市場はありましたが、インバクトが不足していました。何か人を惹きつけるものが必要と考え、新たに「地域の野菜を使うバイキングレストラン」、「軽食やテイクアウトが中心の食堂」、「新鮮な野菜や地元の特産品が買える市場」を、新しい建物内に設けました。イベントができるウッドデッキも確保して、滞在時間が長くなる工夫もしました。

石川「道の駅に行く」ということ自体が一種のアクティビティとして成り立っていますね。集客も伸びたのではないでしょうか?

大畑さんバイギングレストランには平日でもお客様が列を作られます。週末は時間制限をするほどですね。地元野菜をふんだんに使う料理は、体にも優しく美味しいと評判です。先日も週末に感謝祭と銘打ったリニューアルイベントを開催しました。来場は2日間で15,000人、先着500名分を用意した紅白餅も午前中に終了、限定200食の無料いのしし鍋も大好評でした。

石川い、15,000人!確か、北広島町の人口が19,000人ですから、集客効果の高さに改めて驚かされました。やはり町外からいらっしゃる方が多いのでしょうか?

大畑さん7割以上が広島市内も含む町外ですよ。町内の人には珍しくない野菜ですが、生産者によって味も色・形も違う楽しみがあります。遠くからわざわざ来る価値が浸透してきた感じです。今の好調を続けるためにも、地域ならではの魅力を打ち出していく必要がありますね。

石川生産者ごとの違いが楽しめるというのもおもしろいですね。作った人との距離が近いことは、食の安心にもつながりそうです。

大畑さん

大畑さんちなみになんですが、「ゆかり」で全国的に有名な三島食品はご存知ですか?

石川「ご存知」と言うか、我が家では常備されてて、結構な頻度で食べてますね。大好きです。

大畑さん創業者の三島哲男(みしまてつお)さんが、北広島町の出身でして、生家の跡地は「ふりかけ資料館」になっています。

石川「ゆかり」の聖地まであるとは…感服です。

[お話は後編に続きます]

道の駅「舞ロードIC千代田」では、高速道路からも目に入る「巨大な太鼓」によるインパクトで人々を惹きつけ、地元の野菜や神楽、花田植えといった地域の文化を全面に押し出すことで、独自の魅力を訴求し、訪れる人々の心を掴む施策がガッチリと機能していました。
それは、キャッチーな「ゆるキャラ・花田舞太郎」も効果的に配置して、案内や賑わいに用いる隙の無さ。
太鼓自体もクイズ企画に使ったり、トリック写真のポイントを設置したりと、SNSとの連動性も高い広がりのある取り組みが印象的です。

そんな、地域の特性と資産を活かしまくる道の駅「舞ロードIC千代田」。
後編では、さらに北広島町という土地にある「道の駅」としての利点を活かした取り組みをご紹介。
一見では終わらないリピーターを生み出す工夫について、お話を伺います。

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