印刷工場の心臓部!正確無比な印刷を実現する圧倒的経験値と技術の秘密。

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岩田さん

――― 第一製造部 岩田 ―――

今回の社内インタビューは、「調色」を担当されている岩田さんにお話を聞きました。
調色とは、お客様からいただいた見本を見ながら、様々なインクを配合することで、求められる色に調える(ととのえる)作業。
印刷工場の心臓部と言っても過言ではありません。

インクの組み合わせパターンは、まさしく無限。
組み合わせる種類、数、量、微妙な配合の差が印刷の結果に大きく影響します。
しかし、そんなインクの配合が「瞬時に頭の中で色の配合がわかる!」と語る岩田さん。
今回はその頭の中を大解剖!
経験から培われた思考術に、のぼりラボ初登場の楠本が迫ります。よろしくお願いします。

岩田さん
人物紹介
第一製造部 調色担当 岩田さん 2009年入社
41歳(2017年取材当時)。
行きつけのお好み焼き屋は「キャベツ」。

楠本まずは簡単に社歴を教えてください。

岩田さん調色の仕事に就いて7年経ちます。最初は捺染の印刷機を担当していたのですが、異動で調色になりました。

    参考リンク
  1. のぼり印刷技術の2大巨頭。捺染と昇華転写の徹底比較から見えること。

楠本調色は繊細で僅かな差を調整する作業だと聞きます。色の配合などに関するマニュアルはありますか?

岩田さんいいえ、ありません。先輩からいろいろご指導いただきました。
最初の頃は大変でしたね…見本と色が合わなくて。
紙と生地では透けた時の色感が違うんです。時間内に終わらせないといけないし、ドキドキしましたね。

楠本自分の決めた色で製品が作られ、良し悪しが決まる重圧も多きいのではないかと思います。どのくらい経てば仕事に自信を持つことができますか?

岩田さん数年は必要だと思います。
1年を通し、季節が変わると状況が変わるので、それを把握しなければなりません。
例えば夏はバインダー(インクと生地をつなぐ接着剤の要素を持つ溶剤)がゆるいけど、冬は固い。捺染の機械の状況もその都度で違います。
これらによりインクの配合量を微妙に変えなければいけません。

楠本これは年間を通し、季節ごとで変化するインクの特性を熟知する経験が必要ですね。

岩田さんただ、5年も経てば、かなり落ち着いて仕事をすることができてきました。
場数も量もこなしていますからね。

調色

楠本ずばり聞きます!調色で大切なこととは何でしょうか?

岩田さんインスピレーション、経験ですかね。一番はやっぱり経験。
インスピレーションの面からいうと、小学校の時に「3原色の組み合わせで色は作られている(※)」と習ったと思うんですけど、これが大事!
何と何を合わせたら何色になる!というのがわからないといけないですね。

※色の三原色:シアン、マゼンタ、イエロー。印刷の世界ではさらにブラックが加わる

楠本では、一番大事だという経験についてはどうでしょうか?

岩田さん社内には色に関する教科書がありませんでした。ケースバイケース。
いただいた一つひとつのお仕事から、教えてもらいました。
インク業者さんにもたくさん質問しましたよ。

楠本そんな経験豊富な岩田さんですが、つい先日、色の配合が思うように行かず、何度も営業部の確認を仰ぐ光景を目にしました。
難しい作業だったのでしょうか?

岩田さんその時ののぼりは、社内で取り扱っていないインクを使っていました。そして困ったことに、どの業者に問い合わせても在庫が無い色だったのです。

楠本「社内にないインクだ」ということは、直ぐに分かるものなのですか?

岩田さん見た瞬間わかりました。
特殊な種類のインクだったんです。そのインクの持つある種の特長すべてに当てはまっていましたから、すぐにピンときましたね。
この、社内にない色を作るというのが一番難しいんです。同じ色になり難い。

楠本詳しく聞かせてください。

岩田さん例えば、「目標とする青」があるとします。
この「目標とする青」に合わせるために、まず数ある青から適当だと思われるものを選びます。この最初の選択が大事。
そして、次の分岐点でまた色を選んで、次第に目標の色に近づけていきます。
いろんなパターンがありますが、最初の分岐点を間違えると道順が遠くなってしまい、それだけ時間がかかり、失敗するケースがあります。
しかし、今回ののぼりでは、最初に選択肢すべき青がなく、違う青から「目標とする青」に合わせる必要があったため、かなり時間がかかりましたし、頭も使いました。

調色

楠本聞くからにかなり根気の必要な作業ですね。かなり大変だったんじゃないですか。

岩田さん実はそうでもなかったですよ(笑)
私自身が性格的にあまり「大変さ」を残さないんです。
「大変だった」という感情はあってもいいですが、すぐに「次に行こう」って思った方がいい。残すと自分の次のステップにつながらないです。お酒でも飲んですぐ忘れる方がいいんじゃないかな(笑)

楠本よく分かる気がします(笑)

岩田さんでも、苦労を覚えることも大切。忘れると1から同じことを繰り返しますしね。

調色

楠本現在はそのような苦労の大切さを、後輩社員に継承するために色々と尽力されていると聞きました。後輩に期待することは何ですか?

岩田さん彼自身、相当成長しているなと感じています!
ただ、柔軟性がもうちょっとあれば良いんじゃないのかなと思います。同じ配合のパターンで色を作っていると、イレギュラーが発生した時に対応できないですからね。

楠本まさに後輩のことを思ってのアドバイスと受け止めました。

岩田さん僕が、もう年ですので、体と心がついてきません(笑)
若者にはもっと頑張ってもらって、自分は落ち着いているくらいがちょうど良いんじゃないかと思います。

楠本落ち着いている先輩の姿があるからこそ、若手も安心してチャレンジできることもあると思います。これからもご指導宜しくお願い致します。

岩田さん
終始にこやかな雰囲気でインタビューに応じて下さった岩田さん。
印刷物にとって最も重要な要素である「色」に携わり、その経験から構築された理論と技術でまさにポップジャパンの心臓部として日々力を発揮されています。
インタビューの中であった、取扱いの無いインクの色を他のインクを配合することで再現するという難しいお仕事も、見事にクリアされました。
しかし、その時も「印刷機のメンバーや他のスタッフの協力があったからこそ出来たこと。自分ひとりの力ではない」と言われ、謙虚な姿勢、そして感謝の気持ちを忘れない人柄がうかがえます。

今後の課題は、いかに自分の技術を後進に伝えていくかだと語っておられた岩田さん。
今回はご協力ありがとうございました。

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