行きたい ! 立てたい !「のぼり」隊!第四回 「大野瀬戸かき海道」の意味とは何か?そこに込められた期待と願いの巻

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わたや大野店

シリーズでお届けしている「大野瀬戸かき海道」の取材記事。その3回目をお届けします。
今回お話を聞いた「田舎茶屋わたや大野店」は、「大野瀬戸かき海道」の中、JR前空駅のすぐそばという、好立地に建つ店舗。
「田舎茶屋わたや」として大野店も含めて、広島県内に5つの店舗を構えています。
その全店で提供されている「かきを使った料理」は、全品に「廿日市大野産のかき」を使用し、メニューにも明記されています。
まさに地産地消。その他に販売商品として出されている「かき加工品」にも、やはり大野産のかきを使用しているという徹底した姿勢に、「大野産かき」へのこだわりが感じられます。まさに力強いPR役。
地域に密着しながら、大野のかきの魅力を信じて広く利用しているわたや大野店で、お話を伺いました。

わたや大野店

    参考記事
  1. 行きたい ! 立てたい !「のぼり」隊!第一回「大野瀬戸かき海道」の巻
  2. 行きたい ! 立てたい !「のぼり」隊!第二回 「大野瀬戸かき海道」を五感で味わう黄金体験の巻
  3. 行きたい ! 立てたい !「のぼり」隊!第三回 かき小屋だけじゃない「大野瀬戸かき海道」の奥深さに迫るの巻

夜の帳(とばり)に浮かび上がる優しい明かり。喜ばれるお店を目指して。

お話を聞くために「わたや大野店」に着いたのは、午後6時を少し過ぎたころでした。
「秋の日はつるべ落とし」すっかり日が落ちていたのですが、ライトアップされた外観は、独特の雰囲気に包まれています。
「田舎茶屋」というコンセプトに沿う、外観のイメージは「大きな水車」と「大きなのぼり」だと、取材に対応してくださった広報・企画責任者の中川恵子さんは教えてくださいました。そのイメージが照明によって、夜の暗さの中で浮かび上がっているのです。

わたや大野店

その大きさで、昼間でもよく目立つ「のぼり」と「水車」。
それが夜になるとライトアップという効果が加わって、暗い夜でも、遠くからドライバーへ存在を認識させます。

また店舗自体へのライティングにも、コンセプトに沿ったこだわりを感じます。
光彩の派手な演出を用いるのではなく、温か味のある暖色のライトで建物を照らし、柔らかくホっとする印象を、通りがかる人々に与えます。
その中でも、屋根の上部にズラリと並べられた提灯は圧巻。
和食、田舎、茶屋、古民家というキーワードから派手さは求められない中でも、「あれは何だろう?」という興味と期待を抱かせる効果があります。

わたや大野店

しかし中川さんは、まだまだ面白い企画や提案があれば、どんどん取り入れていきたいと意欲的です。

中川様

実は私たち「のぼりラボ」の運営母体である「POP JAPAN」では、わたやのお仕事を長く承っています。
現在、設置してあるのぼりなどのアイテムの制作も行い、その中で強い信頼もいただいていますが、中川さんはもっと「提案」が欲しいとおっしゃいました。

中川さん「戦略的な部分は我々でも考えますが、なにか『かっこいい』と思える提案がもっとあれば嬉しいですね。チラシ一枚にしても、大事なのは企画力とデザイン力だと思います。いいものが出るまでは、こちらも何回だって『NO』を出しますよ(笑)」

例として、「美味しそうな料理がズラっと並んだ横幕」を設置する案も聞きました。
それが、「田舎茶屋」の雰囲気にマッチするかどうかは、まさにデザインの力によるところ。また、車の往来が激しい路面への設置で、期待する効果が発揮できるかは、慎重な検討が必要です。

しかし一点、わたや大野店には大きな立地上の利点があります。それはJR前空駅に併設されていること。
駅で乗り降りする乗客が、改札の前後など徒歩で移動する途中に、わたや大野店のアピールが目に入るような仕掛けを設置することは出来そうです。
特に、一般的な帰宅時間である5時~6時のタイミングで、「美味しそうな料理があるな」という印象付けが成功すれば、利用客の食欲を刺激するような心理的なアプローチを考えることができるでしょう。

一足お先に全国展開!?大野のかきが広がる様々な取り組み。

「田舎茶屋わたや大野店」が、大野瀬戸かき海道に指定されているこの地域にオープンしたのは1988年。もう30年近く前です。
「大野瀬戸かき海道」が指定されるよりも、前のことだと聞きました。

大晦日と元旦こそ休業されますが、それ以外は基本的に年中無休で営業を続け、長きに渡って地域の方々に愛され続けています。
「田舎茶屋」の落ち着いた店舗をコンセプトに、普段使いで便利なお店を目指していて、今ではご家族連れのお客様が多く、またご高齢のお客様がお孫さんを連れて、来店される姿もよく見られるそうです。
夏休みと冬休みの時期が年間で一番忙しくなるというお話からも、ファミリーでの利用が多いということが想像できます。

わたや大野店

また通販の分野にも力を入れており、かきをオリーブオイルに漬けた商品などは社内の商品開発会議からスタート。企画によっては地元の商工会の方々と共に、商品化へと動かれたそうです。
今では、東京のデパートや広島県のアンテナショップ「TAU」でも取り扱われているほか、なんとディズニーランドにも直営の売店があると聞き、驚きました。
まさに全国レベルで、大野のかきを広げています。

またグループとして「宮島コーラルホテル」や温泉「べにまんさくの湯」も手掛けられているのだとか。
どちらも、「大野瀬戸かき海道」指定地域の中にあります。

    参考リンク
  1. 宮島コーラルホテル
  2. べにまんさくの湯

例えば、これらの施設で、分かりやすい共通点を持たせた屋外広告展開が企画できれば、観光客の周遊を狙った施策に繋げることができるでしょう。

飲食以外でも、わたやを運営するグループは、建築のお仕事やホテルの運営もされています。そちらの事業について、私たちもお手伝いさせていただいているのですが、決して妥協のない姿勢は一貫されています。
まさに、お客様でありながら、「当社を育てて下さった」と言っても過言ではありません。

「大野瀬戸かき海道」は期待であり、希望になって欲しい。

わたや大野店でも、当然「大野瀬戸かき海道」について聞いてみました。
今度こそ何か、真相に繋がる情報や、手がかりが見つかるかと期待していたのですが…

中川さん「『かき海道』という組織やグループがあるのか分からないのですが、わたやは所属していません。『大野瀬戸かき海道』というのも多分、地域起こしなのかなとも思ったんですけど、特に関わりは無いですね」

予測はしていましたが、やはり我々としては残念な回答でした。
わたやで提供されている、かきでメニューには大野産のかきが使用されており、実際のメニュー表にも「廿日市大野産かき」と明記してあります。
また、他にも「宮島コーラルホテル」などで、大野産のかきを使った商品を売り出しているのだそうです。
大野のかきと深い関わりがあることは間違いないのですが、「大野瀬戸かき海道」との繋がりは薄いとのことでした。

取材を受けてくださった中川さんご自身は、「大野瀬戸かき海道」の存在はご存知で、聞けばロゴをデザインされた方も知っているのだそうです。
将来的に、「大野瀬戸かき海道」がブランドとして広く認知されることで、メディアに取り上げられ、観光客が増える取り組みになればと、期待されていました。

わたや大野店

今だからこそアピールを仕掛ける意味。「知られてこそ」を屋外広告で実現すること。

わたや大野店を含め、「大野瀬戸かき海道」にある店舗の取材を重ねる中で、共通して浮かび上がってくる言葉がありました。
それは「もっと大野かきの魅力が広く知られることで、お客様が増えて欲しい」という願いです。
ブランドとして全国的に認知され、もっと多くの人が大野に訪れて、大野産のかきを食べてもらい、その美味しさを体感してもらいたい。
一度食べれば必ず伝わる魅力には絶対の自信を持たれています。
それは、大野のかきを愛し、その生産や販売に妥協せず、誠実にかきと向き合う日々の積み重ねから生まれる自信です。

しかし、そんな願いや自信の半面で「大野瀬戸かき海道」の認知度は低く、存在や取り組みの存在を知ってはいても、積極的な利用の促進やアピール手段として活かされていません。
「大野瀬戸かき海道」の「のぼり旗」もかつては存在し、立っていたというお話も聞きましたが、のぼりラボが取材で伺った際には、遂に一本もその姿をみることがありませんでした。

「大野瀬戸かき海道」は確かに存在しています。
そして、そこで生産されるかきは高品質で絶品 (実際に食べたから間違いありません!)。
また、この地で商売をされている事業者も、様々な施策を打ち出して、いかにお客様に喜んでいただけるかを考えておられました。
わたや大野店でも、この土地にお店を構えるにあたって、地域密着型のお店として利用して欲しいと言っています。

中川さん「何かあったときに便利に使えるお店でありたいですね。それは喜びもあれば、悲しみもあると思いますけど、ご法要で「わたや」を選んでいただければいいですね。ホテルなどの形式に捉われるものばかりでなく、故人を偲ぶときに、みんなでざっくばらんに語り合う場となればと思います」

それぞれの取り組みに一体感を持たせ、全体の動きとして意識を持つために「大野瀬戸かき海道」というブランド設定を用いるネガティブな要因は、今のところ感じられません。
例えば、お店にのぼりが1本立っていれば、お客様から「あれは何?」という言葉がでてくることでしょう。
すると「実はこの辺りは『大野瀬戸かき海道』というんです。ブランドなんですよ」という会話に結びつけることが出来ます。
遠方から訪れる観光客は、その土地での体験や発見に価値を求めます。
「宮島に行くと、近くで絶品のブランドかきが食べられる海道がある」というフレーズは、とても魅力的。
しかしそれは、分かりやすく目に見える「興味」として、訴えかけなければ伝わりにくいものです。

現在でも、電柱看板や海道の端に看板は置かれていますが、残念ながら目立っているとは言えず、実際に気がついている人もまばらでした。
効果的にのぼりや看板を使ったアピール方法を考えることによって、より多くの「大野瀬戸かき海道って何だ?」という「興味」に語りかけることが、もっと大野のかきが世界に広がる可能性に繋がることになるのでしょう。

大野瀬戸かき海道で取材を重ね感じること。
それは「ここがまだまだ眠れる宝の山だ」ということです。
ここに宝があることを、どの様なカタチで発信するかと考えるとき、屋外広告も含めた地道な活動が必要とされているのかも知れません。

わたや大野店

ご協力いただき、ありがとうございました。

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取材協力:わたや大野店
〒739-0424 広島県廿日市市前空5-1-19
代表電話:0829-56-0100 / FAX:0829-56-3753
ホームページ
駐車場:有(60台収容)

■営業時間
AM11:00~PM11:00(10:30ラストオーダー)
年中無休

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