のぼりの賞見期限は3ヶ月!期限切れのぼり問題の解決にピッタリの素材を発見!?

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自然に還る生地

のぼり旗で使用される生地には様々な種類があります。現在、一般的に最も多く使用されているものは「テトロンポンジ」という名称で、「ポンジ」という略称で呼ばれています

「ポンジ」は、石油が原料のポリエステル繊維が織り込まれた生地で、比較的安くて軽く、風によくなびきます。また、裏が透けて見えるくらい薄いので、裏面から見てもプリントされた内容が見えることもあり(当然、左右は反転していますが)、表と裏の両面から見られるという、のぼりの特性と相性がとても高い生地です。
ただ、生地が薄いことは耐久性が低いという弱点があり、強風にさらされ続けるなど悪条件が重なると、設置からわずか3時間程度でほつれてしまうこともあります。

それでもコストパフォーマンスが良く、のぼりの設置環境との親和性が抜群なことから、のぼり界全体におけるポンジのシェアは圧倒的です。
しかし化学繊維のポリエステルで織られた生地は、廃棄する際に環境への負荷をいかに低くするか考えなければなりません。
また「のぼりラボ」では、「のぼりには賞見期限がある」と発信し、定期的なのぼりの交換が効果を最大限に発揮できるという実験をしてきました。

    参考記事
  1. のぼりは3ヶ月で交換すべし!?のぼりの寿命について実験してみた。その驚きの結果とは!

「のぼりには賞見期限」を言い換えれば、「のぼりは消耗品」という意味にも繋がります。では、役目を終えた期限切れのぼりについて、処分はどのようにすればいいのでしょう。以前の記事では、のぼりのリサイクル事例についても調査し紹介しました。

    参考記事
  1. 「それをすてるなんてとんでもない!」使い終わったのぼりで実現する3R活動。のぼりは資源だ!

そこで今回は、のぼりの素材という、今までとは違う一面から、「環境に優しいのぼり」の可能性について調べてみました。

自然に還る究極のエコ生地!その名も「ポリ乳酸繊維生地」

環境に優しい生地。それは、植物(トウモロコシ)由来の「ポリ乳酸繊維(ポリにゅうさんせんい)」という素材からできています。

    参考リンク
  1. ポリ乳酸繊維について(一般財団法人ボーケン品質評価機構)

この繊維は植物から出来ているため、自然環境下にあると完全に分解されて土に還ってしまうという特徴があり、あらゆる分野での応用が期待されています。
そんなスゴい繊維を織り込み、生地に仕上げた製品も開発されているのですから、これは「環境に優しいのぼり」を考える上で、最高の素材と言えるでしょう。

この素材の特徴について、さらに詳しく調べると、従来のポリエステル繊維よりも軽量で、燃えにくく、さらに光による劣化も少ないそうです。
さらに生地の風合いはポンジなどのポリエステル繊維と比較しても劣ることなく、細菌やカビにも強いのだとか。
「分解されて自然に還る」という環境問題を考えた特性を活かして、農業用シートや園芸ネットなどにも幅広く利用されていて、今後の発展が期待されています。

しかし調査の中で、この素材を扱うには大きな問題があることが判明しました。
それは、耐熱性がポリエステル繊維よりも低く、乾燥などで110℃以上の環境に入れると、生地が変質してしまうということです。

    参考記事
  1. とうもろこし繊維(ポリ乳酸繊維)の染色 ― 捺染について ― [PDF]

当社で使っている捺染の乾燥機では約150℃、昇華転写機では約200℃の中を生地が通過します。
つまり、残念ながら今のままでは、生産ラインにのせることは難しいのです。

現在、ポリ乳酸繊維生地の染色方法には、生地が変質しない90℃程度での侵染(しんせん)という手段が用いられています。
「侵染」とは、染料の溶液の中に、生地や織り糸などを浸して染め上げる染色法なのですが、今後、ポリ乳酸繊維でも耐えることができる温度域でのプリント技術が発明されたら、それは環境に優しいのぼり制作への大きな一歩と言えるでしょう。

環境への配慮がなければ、のぼりラボの理想は語れない。

今回紹介した「ポリ乳酸繊維」の他にも、環境に配慮した生地として「エコポンジ」という、主にペットボトルから再生された「リサイクルポリエステル繊維」を織り込んだ生地があり、こちらの生地は、既にのぼり製造に使われています。
実際に何度も目にし、プリントした経験もありますが、風合いや発色などで、通常のポンジとの違いは感じませんでした。

ポンジとエコポンジ

しかしエコポンジは、値段的な折り合いもあって、まだまだ一般的なポンジほどの普及率ではありません。
そしてポリ乳酸繊維生地は、製造上の問題が残っており、まだまだ利用には至っていない現状です。

「のぼりの賞見期限」を掲げる上で、期限の切れたのぼりをどのように利用し処理し、環境について考えることは、のぼりラボの宿命です。
のぼりによる環境負荷の低減について考えること。
この大きな課題を解決するために、引き続き新た素材を探し、環境に優しいのぼりへの活用方法について調査を続けていきたいと思います。

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