のぼりを設置する最適な間隔は180cm?社内アンケート調査を経てさらに一歩踏み込んだ正解値を追った。

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ここ数年のことですが、「パーソナルスペース」という言葉を耳にする機会が増えてきたように思います。
元々は心理用語なのですが、かなりポピュラーになったと言うか、わりと一般的に使われてきている様な、実際に耳にする機会が多くなってきている気がします。

そこで、改めて「パーソナルスペースとは何か?」と調べてみますと、「コミュニケーションを取る時に相手が自分に近づいてくることを許せる範囲」について呼称する言葉だということがわかりました。
言ってみれば自分の「心理的な縄張り」ですね。

「これ以上近づいて欲しくない」という、お互いに心地よい距離感というものは確かに存在するように思えますし、実際にその距離感が違う人と話しているときに「なんだろうこの人…妙に近いな」と感じた経験は身に覚えがあります。

    参考リンク
  1. パーソナルスペース(Wikipedia)

ここで連想されるのがテレビアニメの『新世紀エヴァンゲリオン』。
劇中に登場するバリア「ATフィールド」は登場キャラクターが言及するように「心の壁」を具現化した絶対不可侵なものとして描かれていました。
極端な例ではありますが、パーソナルスペースの解釈を拡大したイメージとしては分かり易い表現であったのではないかと思います。
また同作品は対人コミュニケーションを不得手とする傾向にある人々の心理描写・心情風景をよく取り上げていますので、その中では「ヤマアラシのジレンマ」と言われる比喩も登場します。
身体が棘で覆われているヤマアラシは寄り添おうとするほど互いに相手を傷つけてしまうジレンマを抱えているという何とも切ないお話です。

なんだか話が脱線してしまいましたが、どちらも心理的な距離感について表現したものと言えるでしょう。
人と人とが最適な距離を保つということは、もちろん個人差もありますが、昔から論じられる難しいテーマなのかもしれません。
そういう私も、普段適切な距離を保って人と接することができているのか…
どうでしょう…?少し自分に疑心暗鬼にもなってしまいます。

互いの間隔が短くパーソナルスペースを侵食されてしまったら、そこには威圧感が発生してしまうし不快な感情にさいなまれてしまいます。
しかし、だからと言って必要以上に間隔が離れすぎると、それはそれで違和感がありますし情報伝達に支障をきたす恐れがあります。

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固体と固体の距離は「間隔」という言葉にも置き換えられます。
パーソナルスペースも言い換えてみれば「心地の良い間隔」。適度な間隔や距離感という概念はそのまま配置間隔やレイアウトを考える上でも重要なものとなります。

のぼりの場合はどうでしょうか?
集客に適した間隔。もう少し噛み砕くと、見た目的に美しく綺麗な印象を受ける間隔というものが存在するのではないでしょうか。
言わばのぼりのパーソナルスペース。その間隔について検証してみました。

のぼりのパーソナルスペースを探れ。設置間隔の最適値を実験で検証してみた。

今やのぼりは街中に溢れている一般的な屋外広告物ですが、当然この設置間隔が極端に短ければ、お互いがお互いを邪魔してしまって最悪の場合「何が書いてあるのか分からない」なんて事態を引き起こしかねません。
反対に、一つ一つの間隔を長く取りすぎてうのでやはりマイナス効果となってしまいます。

では、のぼりを設置する間隔としての最適値はどこにあるのでしょうか?しまうと閑散とした活気の無い印象を受けてしま
人の感じる印象に基づくものである以上、なかなか数値化も難しい問題かとも思いますが、弊社スタッフ全面協力の下、「のぼりが綺麗に見える設置間隔」についてアンケート調査を行ってみました。

以下が概要となります。
—–
・弊社敷地内にて設置間隔の異なるのぼり群を5グループ設置。
・それぞれのグループにて設置間隔を60cm, 120cm, 180cm, 240cmと設定。
・弊社社員(約60名)に、どの設置間隔のグループの印象が良いかアンケート調査。

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—–

その結果がこちらになります。
180cm間隔 : 55%
120cm間隔 : 30%
60cm間隔 : 9%
240cm間隔 : 6%
という割合でアンケート調査の回答が出てきました。

グラフで表してみると、このような形になります。
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調査の結果、1番綺麗だと感じられるものは180cm間隔、続いて120cm間隔という結果となりました。

のぼり設置間隔の最適値は日本独特?ヒントは尺貫法に隠されていた。
実を言うとのぼり設置間隔の最適値について調査したのは、我々が初めてというわけではありません。
のぼりの設置間隔についてやはり同じような疑問や興味を持つ人は他にも以前から沢山いるようで、インターネットで検索してみたところ、いずれの検索結果でも180cm間隔が最適という結果が多数見られました。
そしてこの180cm間隔至高説、業界では「魔法の間隔」と称されていて、図らずとも我々の調査結果もその定説から外れることなく裏付けのデータとして一つの証明となりました。

では何故180cm間隔なのでしょうか?
その疑問を紐解く一つのヒントが日本で昔から使われていた尺貫法という単位系にあると言われています。
現在の日本では計量法という法律によって、取引や証明に尺貫法を用いることは禁止とされていますが、メートル法が入ってくる以前は長らく尺貫法が使われてきた歴史があります。
その中にある長さの単位をメートルに置き換えてみると1尺は約0.303m、1丈は3.03mとなり、他にも色々な単位があるのですが、その中で1間という単位が約1.81mとなっています。
1.81m、約180cmですね。
つまり、日本では古来より約180cmを一区切りとしてカウントしていた歴史がありました。もしかすると、それは長らくその間隔を利用し生活してきた我々日本人のDNAレベルで馴染んでいるとも言えるのかも知れません。

黄金比にも当て嵌まるのぼり設置の最適値。これはもう黄金間隔だ。

黄金比というものをご存知でしょうか?それは1 : 1.618の比率のことです。
例えば短辺と長辺の比を黄金比(1 : 1.618)で描いた長方形を黄金長方形と呼んでいるのですが、これは人間に取って最も美しく感じる理想の比率だと言われています。
そして、その黄金長方形の特徴なのですが、長方形からから最大の正方形を取り出すと、残りの長方形がまた黄金長方形の比率になり、そこからまた最大の正方形を除くとまた黄金長方形が残る…といった具合に永遠に相似な図形ができていきます。

因みにそんな黄金比は身近なところで名刺やコピー用紙にも用いられているのですが、これらも数学的に掘り下げていくと、フィボナッチ数列とか対数螺旋と言った話になってしまい、もはや手に負えなくなりそうなので、今回は割愛させていただきます。

    参考リンク
  1. 黄金比(Wikipedia)

そんな不思議な「黄金比」なのですが、これに「魔法の間隔」が当て嵌まるとなれば、これはもう日本人の感覚という話だけでは収まらなくなってきます。
数学的な裏づけ。学術的な分野からも心地よく感じる設置間隔の証明が出来るとなれば180cm間隔最適説の説得力はグンと上がってきます。話がどんどん大きくなってきました。

それでは実際に魔法の間隔を黄金比に当てはめてみましょう。
一般的なのぼりの長辺は180cmです。しかし普段のぼりはポールにつけて設置しますし、そこにスタンドなどもありますので、実際に設置されるトータルの高さは約290~300cmくらいかと思われます。今回は間を取って295cmと設定してみます。
そしてこの高さ295cmを長編とした黄金長方形を想定し、設置する間隔に該当する短辺(x)を求めてみると

x : 295 = 1 : 1.618
1.618x = 295
x = 182.323 ≒ 180

180cm!180cmです!!ズバリ180cmという数字が出てきました。完璧です。
のぼりを設置する心地よい間隔とは黄金比に基づいた完璧な比率にあったのです。

アンケート調査と論理的検証の2方面作戦で真理に迫る!

今回はアンケート調査の結果から導き出された設置間隔にまつわる数値によって、様々な仮説と繫げることができました。
尺貫法は古くから日本に根付き使われてきた採寸方法であり、現在は使用されていないとは言え、例えば史跡や寺社仏閣、文化遺産など古くから受け継がれて来たものに癒される心地よさの中で息づいているようにも思えます。
黄金比は芸術作品の中にも多く用いられており、それはミロのビーナスや凱旋門、モナ・リザの中にも使用されていますし、実際に我々が日常使うもののなかでも利用されています。

このようなデータとロジック、そして実際の感覚値がストックできたことは今回の実験調査の大きな成果であり、設置間隔の調査としてこれはもう大成功だったと言っても過言ではないでしょう。

「のぼりの設置間隔は180cm空けるべし」
しかし、今回証明できたこの解も他の外的要因次第でいつでも絶対的な正解となり得るものでは無いとと考えられます。
天候、時期、時間帯、のぼり自体のデザイン、何よりのぼりの高さが一般的な高さから逸脱すれば当然それに合わせた比率で最適な設置間隔は変化します。
指標はあくまで指標。その時々の環境の変化に合わせて、臨機応変に正解を導き出せる材料をどれだけストックしていけるかが重要となってくるのです。

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