日本の広告費は前年比100.3%!データから予測する広告業界の明日はどっちだ?

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日本の総広告費

株式会社電通(本社:東京都港区, 社長:石井直)という会社をご存知でしょうか?
「広告界のガリバー」の異名を持つ、名実共に日本を代表する最大の広告代理店であり100年以上の歴史を持つ業界最王手の会社です。
その電通が今年(2016年)の2月23日に、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2015年(平成27年) 日本の広告費」というデータを発表しました。

このような日本全体の広告業界のデータを数字として集計し発表できるのですから、やはり電通という企業の巨大さは計り知れませんね。
そしてそのデータの中には、我々が扱うのぼり旗や幕といった商材が当て嵌まる「屋外広告」と「POP」といった項目があります。
つまり、そこにある数値データを注意深く探り、他の広告媒体と比較することでのぼり旗・幕を取り巻く業界の実態を客観的に見渡すことが出来るということになります。
前年度に比べて増えているのか減っているのか。業界全体から見た比率は果たしてどのようなデータとなっているのか。
もしかしたら想像を絶して厳しい結果が出てるかも…なんて考えると怖くもありますが…
しかし、このようなデータを冷静に捉えることが次の施策にも繋がり我々の今後の舵取りに大きく作用することもまた事実に違いありません。

今回は電通発表による「2015年(平成27年) 日本の広告費」からのぼり旗・幕を取り巻く業界の実態、ひいては日本の広告業界の現状を見てみましょう。

日本の広告費全体は緩やかな回復傾向ながら安心とは程遠い模様。

まずは日本の広告費全体からのお話です。
ずばり、2015年(1~12月)の日本の総広告費は6兆1,710億円という結果でした。
前年の2014年ではこのデータが6兆1,522億円となっていますので、前年比で実に100.3%。
4年連続で前年実績を上回ったというデータらしいですので、この結果を見ると業界自体の規模は僅かかも知れませんが増加傾向と言えそうですね。良かった。一安心です。

因みに、のぼり旗に関連する業界の主な媒体はプロモーションメディア広告費内の「屋外広告」及び「POP」にという項目になるそうですが、そちらの屋外広告、POP共に昨年よりも増加しているというデータが出ていますので、これも嬉しいデータになりました。

いきなり頬がほころぶデータが出てきました。喜ばしい限りです。
…いや、でも、しかしまだまだ油断は禁物。
もう少し視野を広めて過去のデータを追いかけてみると、リーマンショック以前の年である2007年の総額は7兆191憶円だったということが分かりました。
つまり直近4年間では順調に前年実績を超えての成長をしていることは確かなのですが、8年間のスパンで観測すると8,481億円の減少となっているのです。
この最近の回復傾向がこのまま今後も継続するとしても、以前の業界規模まで回復するためにどのくらいの時間が必要なのかと言うと、これはまた未知数。
これまで業界を牽引してきた所謂4マス媒体(地上波テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)すら縮小傾向にありますので、まだまだ業界全体の動きは予断を許さない状況の中にあるようです。

屋外広告とPOP広告は微増。キーワードはインバウンドとデジタルサイネージ。

日本の広告費の全体データがザックリ見えたところで、今度はもう少しミクロな視点に切り替えて、いよいよのぼりがカテゴライズされる業界の媒体についてデータを見てみましょう。ドキドキしますね。

先にも書きましたが、のぼり旗に関連する主な媒体は、プロモーションメディア広告費内にある「屋外広告」及び「POP」に該当します。
2015年度の市場規模は「屋外広告」と「POP」を合わせたデータで5,158億円。
そのうち屋外広告費は3,188億円で前年の100.5%。POPでは1,970億円で前年比100.3%ですから、前年規模をキープから微増と言えるでしょう。
しかしながら「増えてるのなら良かった」安堵するのはまだ早いようで、遡ること10年前の2005年度では5,588億円という規模でしたのでマイナス430億円、7.7%もの縮小という結果が出てしまいました。

また内容を細かく見ていくと、前回の記事[のぼりはもう時代遅れなの?五感を刺激するデジタル屋外広告事例からのぼりの未来を考えてみた。]でも触れたデジタルサイネージの躍進が目立ちます。
またモニターを埋め込んだディスプレーで映像を流す手法も増加。
これらはPOP広告の中でも制作費が比較的高いものとなりますので、増加要因となりました。
しかし一方では従来の紙からWebへのシフトも高まっているというデータも報告されていて業界のマイナス要因として顕著化してきています。

加えて外国人観光客増加に伴い、インバウンドも見据えた出稿が増えてきていることが成長の要因となっている点を考えると、デジタルサイネージや屋外ビジョンのアドバンテージは大きいものと思われます。
官公庁からの新規出稿が屋外ビジョンで増えているというデータもあり、特に空港におけるデジタルサイネージの設置増加は、外国人観光客にむけた情報発信に取り組む姿勢がこれ以上なく分かり易く示されている例だと言えるでしょう。

躍進するインターネット広告は2桁成長。一気に業界のけん引役へ。

インターネット広告

屋外広告の暗雲は未だ晴れず、業界のトップランカーでもある4マス媒体(地上波テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)すら縮小傾向にある中で、逆に拡大傾向にある媒体がありました。

あるいはもう予想がついているかもしれませんが…
そう!それはインターネット広告費です。

2015年度のインターネット広告費が広告媒体費と広告制作費を合わせて1兆1,594憶円。前年比で110.2%の拡大となっています。
そして10年前の2005年におけるインターネット広告費が3,777憶円ですから、実に7,817億円もの増加。この10年の拡大率が306.9%ですから、これはもう本当に驚くべき躍進と言えるでしょう。
分かりやすいほどに時代の流れが数字に出ています。

内訳を見てみるとインターネット広告媒体費が9,194億円で前年比111.5%.
成長要因としてはスマートフォン向け市場の継続的拡大や動画広告市場の急成長。
また「プログラマティック広告取引」と呼ばれる「ユーザーのデータに基づいて自動的に広告枠の買い付けを可能にする取引形態」の浸透が進んだことが市場の伸びを後押ししたそうです。

ただインターネット広告制作費では2,400億円で前年比105.5%と媒体費に比べるとやや成長が鈍く感じられるデータが出ています。
こちらの案件自体は増加しているのですが、制作単価が低下しているという状況があるようです。

抗いようの無いデジタル情報化の波。自社の技術と探究心で乗りこなさねば。

メディアミックスイメージ

様々な希望的観測を試みたいところではありましたが、やはりデータは嘘を付きません。
結果は結果として冷静かつ客観的に捉える必要があるでしょう。
あらゆる分野でデジタル化と情報化の波は怒涛のように押し寄せてきており、如何にして対応し変化していくかが問われています。
しかしながら、一時期はインターネット上の店舗に全てが集約されて行き、リアルの店舗は消え去ってしまうなんて未来像も描かれていましたが、オムニチャネルという概念から実店舗も重要な顧客接点として戦略的に再評価・再設定されてきています。
インターネット広告は圧倒的な拡散力が魅力であり、広告効果が理論上完全にデータとして数値化できる特徴があり、今後の主力となっていく流れは最早否定できません。
しかしインターネット広告だけでは多様化するライフスタイルに沿った効果的な訴求効果を実現するのはまだまだ難しい状況です。
そこでは、あらゆる媒体を用いたそれぞれの特徴・特色を活かし連携をとった包括的な広告展開が今後より一層求められることでしょう。

限られた費用の中でどの媒体にどれだけの予算を割くのかという判断を下すためには、それぞれの選択肢について深い見識と効果を裏付けるデータが必要です。
我々ものぼり旗の効果や戦略的、効果的な設置方法、デザイン、発展性を含めた幅広い知識を深める中で、他の媒体との連携なども十分に知っていく必要があります。
実際にこうしてインターネット上で情報の発信を行っている「のぼりラボ」もその取り組みの一環と言えるでしょう。

今や、一媒体で絶対的な効果を追い求める時代ではありませんし、各々のみに固執などしていたら先細りしていく未来は誰の目にも明らかです。
この先業界としてインターネット広告がより拡大していくというデータが示されているのであれば、その技術と効果を最大限に活かしながら、さらにそこに自社の持つ屋外広告のノウハウを組み合わせることでオリジナルなものとして如何にユニークなサービスへと発展させていけるか。
それは「のぼりラボ」に課せられた課題と言えるでしょう。

    参考リンク
  1. 2015年(平成27年) 日本の広告費
  2. プログラマティック広告取引総整理 ~電通プライベート・マーケットプレイス(PMP)~

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